富山教区では2023年10月末、葬儀に関するリーフレット『なぜ、お葬式をするの?』を全寺院へ発送しました。

ここには、そのリーフレットに掲載しきれなかったよくある質問と答えを掲載しています。地域やお寺によっては様々な習慣もありますので、詳しいことはお手次のご住職におたずねください。

Q.法名とは何ですか?また院号とは何ですか?

A.法名は、お釈迦様の弟子としての名前です。真宗門徒は生前に帰敬式を受け、法名をいただき仏弟子となって、南無阿弥陀仏の教えを聞きながら深く豊かな人生を生ききっていくことが願われています。もし生前に法名をいただいてない場合はお通夜・お葬式までに法名をいただきます。

 また院号は、お念仏の教えと本山(東本願寺)の護持に一定以上のご協力をいただいた方に対して、本山から授与されます。「〇〇院」というお名前になります。

Q.法事(年忌法要)とは何ですか?

A.真宗大谷派として定められている年忌法要は、百ケ日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌で、それ以降は五十年毎につとめます。地域によっては二十三回忌、二十七回忌、三十七回忌をはじめその他の年にもつとめることがあります。

法事は、亡き人が生きたということと、私が生きていく意義を、教えをとおして感じ取らせてくれるのではないでしょうか。

Q.お寺でお葬式はできますか?

A.お寺によっては可能です。お手次のご住職にご相談ください。

Q.亡くなったら仏さまってどういうこと?

A.真宗門徒は、亡くなった方を諸仏(しょぶつ・仏さま)といただいてきました。それは、「亡くなった方は私にとって人生で本当に大切なことを教えてくださっている仏さまである」と敬ってきた、ということなのです。

亡き方は、私たちが老病死していく存在であるという事実を知らせるとともに、だからこそ、真のよりどころをもって人生を生ききってほしいと、はたらきかけておられるのです。これは正に仏のお仕事でしょう。ですから、亡き方を仏、ほとけさまと呼び、そのメッセージを聞き受け止めていこうということが、浄土真宗における葬儀、また法事の大事な意味ではないかと思っております。

(『亡き方からのメッセージ‐浄土真宗の葬儀‐』二階堂 行壽 氏 東本願寺出版 より)

Q.一日葬や直葬ってなに?

A.一日葬とは、通夜を省略し葬儀を1日で執り行うものです。そして直葬とは、通夜も葬儀も省略し火葬のみを行うことです。
どちらも、真宗大谷派で定められている葬儀の形式ではありません。また実際に行ってみて、そのあまりのあっけなさに、遺族が後悔の気持ちを引きずってしまうケースが多くあります。
 どのような葬儀ができるかは、生前の関係性とご縁次第なので様々な形があると思います。しかし、経済や時間の効率のみを優先し、何でも簡略化していく風潮のなかで、私たちはあらためて「葬儀をすることの意味」を考える必要があるのではないでしょうか。
(参考:『仏事ひとくちメモ』改訂版 通夜・葬儀編 東本願寺真宗会館)

Q.お墓へすぐ納骨していいの?

A. 浄土真宗では、中陰の期間(四十九日)が終わったあと納骨をするのが一般的です。
 火葬後の遺骨は、家のお内仏の近くに設けた中陰壇に安置します。そして四十九日までの間、七日ごとにお手次の住職と共におつとめをします。お勤めの後に、法話を聞いたり、故人の生きた時間を振り返って言葉にしてみてはいかがでしょう。
 亡き方を縁として、残された私たちが人生の本当のよりどころとなる南無阿弥陀仏の教えに目覚めていくことが願われています。火葬から納骨までの間に、少しお時間を持ってみてはいかがでしょうか。